おくるみのブログ(月: 2016年2月)
結び
少し前、暮しの手帖で「美しい結び」という特集がありました。
紹介されていたのは古代より続く装飾的な結び「飾り結び」。
靴のひもを結ぶ、ネクタイを結ぶ、着物の帯を結ぶなど、生活の中で様々な結びに触れている私たちですが、結びには実用的なものから、装飾的なもの、信仰的なもの、結び一つとて色んな意味があります。
結びとはそもそも「陰陽相対的なものが和合して新しい活動を起こす」という意味合いで、男女の和合によって新しい命が生まれる自然の神秘をあらわした「産霊(むすひ)」が語源になっています。それにより生まれた子供を「むすびひこ」「むすびひめ」と呼び、「むすこ」「むすめ」と略称されるようになったと言われています。
包みにもいえることですが、日本人には自然を尊ぶ精神性があります。結びひとつ一つに様々な祈り、願いが込められているのでしょうね。結び目に不思議な力が宿ると信じた人々の心。伝承し大切に育みたいです。
中を見せるラッピング
おくるみには常連のお客様います。有り難いことに「おくるみさんを信頼して全てお任せします」と仰ってくださるので、以前から試してみたかった中を見せるラッピングにしてみました。
貼箱も手作りしてみました!
いつものように舞台俳優さんの公演に持参するとのことで、オーダー内容は
・俳優さんのイメージカラーである赤を使う
・型破りなくらいに楽しいユーモアたっぷりのラッピング
・俳優さんの好きなバンドKISSのオーナメントをアクセントにする
ということでした。
ご依頼品が届く前から「よし!今回は貼箱を赤の革目調ペーパーで作って内側はドクロ柄にしよう」と決めていました。俳優さんとバンドKISSのイメージにぴったりのような気がしたからです。
依頼品はメガネケース2点とバンドKISSのアクセサリー。楽しげな雰囲気を伝えられるように思い切り遊んでしまおうと、中を見せるため透明セロファンで包んでみました。
→内側にはシルバーインクのドクロ柄のペーパーを。外側は革のような質感のペーパーを貼りました
ひとつ難があったのはアクセサリーの重量があり、箱を傾けると動いてしまうこと。プレゼントのお相手にきちんとした状態で手渡すまでがおくるみの仕事ですので、配送の際に動いてしまうのは避けなければなりません。
ですのでアクセサリーが動かないよう、箱の中に壁をつくるために使ったのがストライプのインナーペーパー。これがなんともビジュアル系バンドKISSにマッチして想定外のいい雰囲気を作ることができました。
→リボンはラメ星柄と黒いラメステッチが入った2本を使いました
お届け後、いつも丁寧なメールを送ってくださるのでご紹介します。
「本日、お品物を受けとりました!慎重に梱包してくださったおかげで、まったく無傷なまま無事に到着いたしました。丁寧なお気遣い誠にありがとうございました。
ドキドキしながら箱を開け……一目で「うわぁ♡」と叫んでしまいました!写真で拝見していた以上の凝った造りで、華やかさやユーモアだけでなく、高級感・重厚さもあって惚れ惚れするような出来栄えでした。
おくるみ様にお願いすると、どんな題材でも上品で洒落たセンスに仕上がるんですよね♪そこが素敵で、心から安心しておまかせできる所以です。安っぽさやちゃちさが微塵もなく、いろいろわがままなお願いをしてしまうのにどれもサラリとレベルアップしてくださるのでとっても嬉しいです。
あのドクロくんの紙はなんともいえない面白い素材ですね!いつも私が見たこともないようなペーパーを調達してくださって、感激しきりです。こんな素晴らしいプレゼントを贈れることも誇らしい想いですが、出来上がりを拝見するのを私自身が楽しみにしているのに改めて気づきました。
見ようによっては怖そうなKISSのオーナメントもユーモラスなイメージに一役買ってくれていて、弾けるようなライブの盛り上がりを引き立ててくれますね!袋から出した瞬間「うわぁ!」とびっくりなさるだろうか、とあれこれ想像して今からワクワクしてしまってます。
ストライプのインナーペーパー、それもまた楽しげですね。夢いっぱいのサーカスを思い起こさせるイマジネーションが本当に素敵!このたびも素敵な作品をほんとうにありがとうございました。」
中を見せるラッピングは今後商品ラインナップの一つとして加えていきたいと思っています。お品物が素敵なビジュアルだと楽しく華やかなラッピングに仕上がるので、そういった楽しいプレゼント演出もできたらいいですよね。
貼箱のオーダーは検討中です。ありがとうございました!