おくるみのブログ
雛まつりの折形
3年間通った折形教室も昨日のレッスンをもっていったんお休み。これから子育てがはじまるので外出が難しくなるためです。
折形とは和紙を使った贈りものを包む作法のこと。室町時代に武家礼法として足利義満が制定し、武家社会のなかで門外不出として伝承されてきました。現代ではお祝儀袋をイメージすると分かりやすいと思います。
折形では自分より相手を気遣う大切さなど、いろんなことを教わりました。おめでたい行事のとき「右前」、不祝儀のときには「左前」にして包むと聞いたことがあるかと思いますが、右前にするのは南の方角を向いて、包みを開けると東から太陽の光(神、幸せ)が降り注ぐという意味があり、不祝儀の左前は悲しみで太陽に背を向けている(心を閉ざす)の意味があります。
祝儀のときに新札を包むのも、嬉しい気持ちを心待ちにしていた表れであり、逆に不祝儀は突然のことで準備できないため皺の入ったお札を使います。薄墨で表書きするのも、涙で墨がにじむという意味ですが、相手に寄り添い、悲しみを分かち合うことができる優しさを持つ、そんな感性があるのは日本人ならではのような気がします。
これはほんの一例ですが、折形礼法にはすべて意味があり、神道や自然界との深い繋がり、和紙の素材、日本人の精神性などを学んできました。しばらく通えなくなるのは少し寂しいですが、またいつか通うことができる日を楽しみにしていきます。そして贈りもの扱う仕事をしている自分にとって、包みの文化に触れることができたのはとても幸せな時間でした。
折形について学んでみたい方は山根折形教室を覗いてみてください。
写真:昨日は雛まつりでした。お家に小さな雛人形と庭に生えた蕗の薹を飾りました。春は間もなくです。折形は雛節句の祝い包みです。ひし餅の形、中にはきな粉を入れます(本当は白色もあったけど人にあげてしまった)。お雛様の飾りにひし餅がありますが、ひし餅にきな粉をかけて食べるんですよ~!