おくるみのブログ

2015年1月9日

プレゼントに魅せられて

私ごとですが3月末に子どもが生まれます。
その知らせを聞いたAさんが、先日彼女のサイトにエッセイを寄稿させてもらったお礼&おめでとうの気持ちをこめてプレゼントを送ってきてくれました。

正直、ラッピングを仕事にしている自分がこんなにも感動し、衝撃をうけるとは思ってもみませんでした。ラッピングに見とれて、数日間包みをほどくことができなかったのです。
ずっと眺めていたいという満たされた気持ち。
本当は今すぐにでも包みをほどいてお礼を伝えたいのに、この形にとどめておいて、いつまでもうっとりしていたい…そんな気分になりました。

すぐにお礼は伝えましたが、包みをほどくことができず数日間。見てはうっとり…を繰り返しようやく包みをほどく決心をしました。

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なかからは知人の作家さんが玉ねぎで染めたというリネンウールのマフラーと、妊婦の身体を気遣ってくれたのが伝わる三年番茶、麹で作られた自然甘味料などが入っていました。そして図書カード。「身体をあたためて、無事に生まれてきたら絵本でも買ってね」という優しさがじんわり。リネンウールのマフラーは洗うほど毛布のような手触りになっていくそうで、Aさんも愛用中。時間が経つほど肌になじんでいきそうで、どんなふうに変化していくのか楽しみです。

マフラーのうえには古びた和紙の匂い包みがありました。そっと開けてみると中から真綿のようなものがでてきて、その中にはドライハーブ。匂いの正体はそれでした。真綿というと赤ちゃんを連想します。空豆がお母さんのふわふわのサヤに包まれて安心して眠っているかのような。
いまマフラーを巻いてパソコンに向かっていますが、どんなに仕事に熱中していても、香りが漂うたびにふにゃっと溶けてしまいそうで、まるで私が真綿に包まれた魔法にかかってしまったみたい。
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→この紐は植物の繊維。真麻かな?と私は思っているのですが。

そんな心地よさに包まれて、ラッピングはいいものだな…。
プレゼントとは物を贈る行為だけではなく、気持ちを伝える行為なんだなと、うんうんとうなずき、素晴らしい体験をさせてもらいました。

Aさんとの出会いは、わたしが東京に出てきたばかり、社会人なりたての職場でした。
年齢は7つくらい年上。当時若くて何も知らないわたしに会話のなかで出てくる本やCDを後日貸してくれるんです。
「これ、前に話していたあの本だよ」

けっして押し付けがましくなく、さらりと自然に。
借してもらった本やCDはいまでも覚えています。ポールオースターや星新一、ジェーンバーキンのCDなど。Aさんが散歩して見つけたというお菓子屋さんでは「可愛かったから」と動物型のクッキーをお土産にくれたりして、ひとりの時間を豊かに過ごせる、なんて素敵な人だろう、わたしもこんな大人になれたらいいな…といつしか憧れの女性となっていきました。

憧れの女性はたくさんいますが、歳を重ねたいま、自分は少しは成長したかしら?と思うと必ずAさんを思い出します。知識をひけらかすこともなく、賢く控えめで芯がある女性。けれど私はちっとも追いつけないし、Aさんはどんどん素敵に歳を重ねていく。

そしてそんな憧れのひととのご縁が続いていることが嬉しく、たくさんの素敵な人に囲まれていることを幸せに思います。

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