おくるみのブログ

2014年11月26日

佐藤初女さんのお話

「目立つ事をして名声をおこすのではなく
真実に生きることが神様が望まれた奉仕です。
最も尊いことは自分のかけがえのない
大切なものを差し出すことです。」佐藤初女

11/24(月)、逗子で行われた佐藤初女さんと田口ランディさんの
講演会へ行ってきました。
佐藤初女さんとは、青森「森のイスキア」を設立、
全国から訪れる人々を心をこめた料理で迎えられている93歳のお方です。
佐藤初女さんがにぎったおむすびを食べて自殺を思いとどまった人、
もう一度生きてみようと社会復帰できた方がたくさんいます。
人生に行き詰まった人々が藁をもつかむ思いで本州の果て山奥までやってきて
初女さんの手料理を食べると涙を流すといいます。
その活動が映画「地球交響曲第二番」や
NHKハイビジョンで紹介されて話題となりました。

田口ランディさんは作家。長編小説「コンセント」や
「ひかりのあめふるしま屋久島」でも有名ですね。
最近では禅や犯罪心理学にまつわる心を題材とした書籍を出版され
ランディさん自身も何度か初女さんのところへ訪れています。
講演はランディさんが司会で初女さんに話を伺う対談形式で行われました。

お話の中で初女さんは心が病んだ人の話を解決しようとするのではなく、
ただ寄り添って聞くと仰っていました。ただひたすら聞いてあげる。
私だったら「何とかしてあげたい!」と思うあまりアドバイスをしたり
一緒に悩みを背負い込んでしまいがちなのですが
本人が本当に望んでいることは、話を聞いてあげることだと言います。

現代の人は話を聞いてもらうのに飢えている、だからこそ話を聞いてあげるのだと。
それを聞いているとハッとしました。
冒頭にも書いた佐藤初女さんの言葉、
「最も尊いことは自分のかけがえのない大切なものを差し出すことです。」は
もしかしたら「時間」なのかも知れません。
話を聞いてあげる時間、心をこめて料理をする時間、
元気かな?とその人を思いだす時間、大切な人が元気で平穏な暮らしができるようにと祈る時間。
決して「お金」ではなく、人のためにどれだけ「時間」をかけてあげれるかが、
人々が生きていく勇気や源に変わっていくのだと思いました。

時間をかけた丁寧な料理は必ず美味しくなるし、
逆に急いで作った料理は雑な味になります。
料理ひとつにしても手間ひまをかけて作られたものは、
食べていて身体が喜んでいる感覚があります。
そういったひとつ1つの祈りの行動から世の中の人を元気にできるのでしょうね。

私にも似たような経験があります。
人生に行き詰まり、落ち込んでいたときに話を聞いてくれる友人がいました。
ただ話しているだけですが、自分の居場所はここにもあるんだ、と思えたことは
希望となりました。人を元気にさせることは一緒に解決することではなく
温かなスープを差し出したり、ハグをしてあげたり、その人を迎え入れる、それだけかも知れません。

人から愛してもらうことも、まずは与えることで与えられるのだと思っています。
愛されることは、外見を磨くことでもなく、彼に気に入られるために頑張るでもなく、
彼の心が喜ぶように導いてあげることだと思います。そして自分の心も。
そうは言っても難しいことなので私もつい「自分が、自分が、」となりがちですが
恋人やパートナー、友人や家族などすべての人付き合いは
「与えること」それに尽きるのではないでしょうか。

大切な人を思うと家族が浮かんできます。
遠く離れた両親の話をわたしは聞いてあげてるかな?と思うと
自分の話を一方的にしたり、用事だけで済ませることも多く、申し訳なくなりました。
私は来年33歳の厄年ですが、両親は厄落としとしてお参りに行ってくれました。
両親ほど私の幸せを願ってくれる人はいません。
身近にいる大切な人からまず迎え入れる、そうありたいと思えた素敵な講演会でした。

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